雨の森
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今朝は雨。雨の道では 葉をいっぱいに広げた木々に雨粒が伝い、重くなった枝が道の上に寄りかかります。霧の中 少し薄暗い道は いつもと雰囲気が変わります。


こんな雨の週明けの日は、訪れていただいた方からお聞きした昔話をご紹介しましょう。館内にある写真集を見ながら「そうそう、こんなふうに白い服を着て親の後をついていったよ…」と 遠い思い出がよみがえります。私はそんなお話をお聞きするのが大好きです。
女性の方は、14歳の頃 清滝に打たれた時のことを「滝のはじっこの方にいたのに首が折れそうだったよ」と水の勢いを表現します。宿に泊り、早朝から登り 下山後宿へ 翌日帰る4日かけた御嶽登拝です。
二ノ池の所でライチョウを見た方の思い出です。石を投げたら当たってしまい その夜 とにかくお腹が痛くなったそうです。ライチョウに石をぶつけたりするから 罰が当たったんだといわれ、大変な夜を過ごしたという60年前の子供の頃の出来事…
豊橋から息子さんと久しぶりに来たという方は、継母岳にお父さんが鳥居を建てたことがあるのだそうです。本当に狭い頂上だったと… 噴火後 奥の院や継母岳へは もう行くことは出来ません。信仰の山である御嶽への深い想いを感じました。
あいにくの霧で御嶽山が見えなかった時、まあ山だからね とさらりという言葉に惹かれお話を聞くと、里宮の水50キロを汲みに来たといわれびっくりしました。30年前からお参りに来られているそうです。今年になって、神棚の水や榊に使う水を里宮まで汲みに来ていて、榊には根が生えてきてねえ と笑っておられました。里宮のあの階段を50キロの水を背負って下りる。そのこと自体が修行のように思えます。

私の知らない御嶽山がたくさんあります。そのひとつひとつが それぞれの胸に残る 忘れえぬ 御嶽山の姿です。