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耳をすます

木道を歩いていると 日々大きくなる植物に心が躍る一方で、干上がって泥が溜まっていたり笹が広がっている場所に心が沈みます。「田の原湿原」と呼ばれていた場所は「天然公園」と言葉を変え、田の原という名前がつけられた本来の姿を失いつつあります。

田の原という名前は 稲穂のような実をつけるスゲが池の中に生い茂る様子からつけられたそうです。その本来の姿を見てみたい。

クロユリやコバイケイソウそして湿地を好む植物たちは今、笹の間や乾いた土の厳しい環境の中でそれでも咲こうとしています。

あの小さな植物たちの生きる力を応援したい と思うのです。

私は木道を歩きます。水がいたるところで光を反射し、風に揺れながら咲く花たちを思い描きながら。そして私達もまた彼らと同じように 自然という大きな器の中で生かされている ということを心に刻みながら。